英語情報サイト「GOTCHA!」さんの取材で、アルク教育総合研究所の所長、平野琢也さんとお会いしました。
アルク教育総合研究所は、英語や英会話学習に関しての研究と、それに基づいた情報発信を行っています。その一端は、アルク教育総合研究所の語学教育関連調査レポートとして公表されています。
https://www.alc.co.jp/company/report/
平野所長は、英語教材編集やTSSTなどスピーキング能力テストの開発・運用、英語学習アドバイザー資格認定制度の立ち上げ・運用などに関わり、現在はアルク教育総合研究所にて英語教育関連の調査・研究に携わっています。今回の取材の模様は「GOTCHA!」さんのサイトで以下のように公開されています。
英語で消火器って? 知ってる単語で伝える「セカンドベスト英語」活用法
https://gotcha.alc.co.jp/entry/20171218-ebc-03
今回は平野さんとの対話で気づかされた「英会話を学ぶうえで大切なこと」をご紹介します。
平野所長の持論は、以下のようなマトリックスで英語におけるコミュニケーションを考えること。
- 【1】正確ではない英語をたくさん話す
- 【2】正確ではない英語を少しだけ話す
- 【3】正確な英語を少しだけ話す
- 【4】正確な英語をたくさん話す
当然、【4】の領域の「正確な英語をたくさん話す」のがもっとも良いコミュニケーションの状態であり、【2】の「正確ではない英語を少しだけ話す」のがもっともコミュニケーションが取りづらい状態ということです。
問題は、図2にある【1】と【3】のどちらのほうが、相手にメッセージを受け取ってもらいやすいか、ということです。つまり「正確ではない英語でもたくさん話す」か、「正確な英語を少ししか話さない」か、どちらのほうが相手にメッセージを受け取ってもらいやすいか、ということです。
平野さんはズバリ、【1】の「正確ではない英語でもたくさん話す」ほうがよっぽど相手に伝えることができる、と指摘します。
少し補足を入れるとすれば、「正確ではない英語」というのは「誤った情報を伝える英語」ではなく、「文意はなんとか伝わるものの、文法的に正確性が欠ける」などといったマイナーな間違えがある程度のものを指します。
つまり、少しくらい正確でなくても、文意がなんとか伝わるのであれば、それをどんどん話すのが正解、ということですね。
グローバルコミュニケーションはローコンテクストですから(ローコンテクストの説明は以下の動画をご覧ください)、たくさん話して積極的にさまざまな情報を伝えていく必要もあります。正確な英語を話そうとするあまり、少ししか話さないのでは、グローバルコミュニケーションではあまり伝わらない、ということなのでしょう。
イングリッシュブートキャンプも、この考えに大きく賛同します。
私たちが英語学習を通して考えているのは、【4】のような「正確な英語をたくさん話す」ことのできるような語彙力・構文力を得るためにはとても時間がかかり、労力も必要だということ。けれども【1】のように「正確ではない英語でもとにかくたくさん話す」ことは、「心がけ」と「少しのトレーニング」ですぐにでもできるようになるのです。
そうです。マインドセットによってはすぐに英語を話せるようになるのです。(どれくらいの英語力があれば英会話が可能なのかは、以下の動画をご覧ください)
私たちはとにかくそのマインドセットを広めるためにイングリッシュブートキャンプをやっています。「文意さえ伝われば、少しくらい間違えてもいいから、とにかくどんどん話そう!」と大声で言いつづけているのです。日本の学校で英語を勉強した皆さんには、すでに十分な英語力は備わっていますからね。
では、また!
(※2017年12月の記事を再構成したものです)
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