//「英語の気配り」とは?マネしたい「マナー」と「話し方」

「英語の気配り」とは?マネしたい「マナー」と「話し方」

気配りをするということ、つまり、誠意と真心は世界共通です。では、英語で気配りをするとは、どういうことなのでしょうか。本書ではそれを色々な観点から解説してくれています。著者は、TOEICで高得点をあげても英会話が苦手な人がいるのは、英語で気配りができていないために、相手の気分を害してしまう(相手に誤解される)ことが原因だと指摘しています。

上手な英語を話せなくても、英語をきちんと理解できなかったとしても気配りがあれば、良い印象を与えることができると筆者は言います。
実際に英語で気配りをするのはどのようなことなのかを知り、外国の方を案内するときのおもてなしに活かしてみましょう。

  • 英語の気配り〜マネしたい「マナー」と「話し方」〜
  • 著者:マヤ・バーダマン
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 販売開始日:2018/07/30

大前提は、略さずに丁寧な英語を話すこと

英語を話すときに注意しなければならないのは、「英語を略さない」ということです。
例えば、日本人であればレストランでゲストに対してメニューを見せて、「お好きなものをどうぞ」と言いします。これは、アメリカなどでは気が利かないと思われる可能性のある行動です。日本では、「みなまで言うな」と、すべて打ち明けないほうが良いとみなされる考え方があります。その習慣自体を筆者は否定していませんが、実際に海外の方を接待する時には、丁寧に説明する必要があります。指でメニューをさしながら、このように伝えましょう。
“What would you like to drink?
They have tea…coffee.The café au lait is good.Or,if you like juice, they have delicious
fresh-squeezed orange juice.”
(何をお飲みになりますか。紅茶、コーヒーがあります。カフェ
ラテもオススメです。もしジュースがお好みでしたら、美味しいしぼりたてのオレン
ジジュースもあります)

自分が外国人として海外のレストランに行った場合、そのメニューの説明も一緒にしてくれると親切だなと感じるはずです。相手に思いやりの英語を話せると良いでしょう。

会話の上手な人の黄金パターン

著者はゴールドマン・サックスで働いていた経験から、仕事ができる人には共通
の話し方、話す順番があることに気がついたといいます。これは、英語にとどまらない気配りのできる会話と言えるでしょう。

相手の心の準備ができるように「前置き」をして、
詳細を説明し、
ポジティブな言葉で終える

上記のような順番で話すことが相手への気配りになるそうです。そしてこれは、特に言いにくい話や悪い話をする時に使われます。
具体的な例を示すと、下記のような流れになります。

Mr.Jones, I have some good news and some bad news. Let me start with the unfortunate news.
(ジョーンズさん、良いニュースと悪いニュースがあります。不幸なニュースからはじめさせてください)
I’m afraid that the bid that your company submitted was not successful. However, we are grateful for your may be able to work together in the future. Turning to interested in the technology that you mentioned in your proposal.
(大変恐れ入りますが、あなたの会社が提出した入札は不調に終わりました。しかし、将来的にはあなた方とともに働けるであろうことに感謝しています。あなた方にご提案いただいた技術について興味を持っています)
We would like to discuss this in more detail and we hope that this might lead to business that we can work together on.
(もっと詳細について議論しましょう。そして、それがともにビジネスに取り組めることにつながるのを願っています)
この会話では、一つ目の部分で、良い話と悪い話があるので、先に悪い話からすることを説明しています。そして二つ目の部分で悪い話の詳細を話したあと、最後の三つ目で明るく、良い話をしています。
悪いことを伝えるのは誰でも荷が重く感じますが、悪い話を先に伝えることで相手の気持ちが楽になるということです。

“Of course”はあまり使わない方が良い?

日本語では“もちろん”という言葉はとても便利に使うことができます。幅広い意味で使うことができますし、ポジティブなニュアンスも強い言葉です。しかし、英語の“Of course”は日本語の“もちろん”と同じようには使えないようです。
英語での“Of course”は皮肉や偉そうに聞こえることもあるようです。

例えば、“Have you finished the project that’s due tomorrow?” (明日が提出期限のプロジェクトは終わった?)という文章があったとします。これに”Of course”と答えてしまうと、「終わっていないはずはない(当然終わっている)」というニュアンスになってしまい、皮肉や傲慢と捉えられてしまいます。

”Yes, I have.”と答えることができれば、「はい、終わりました」と素直に答えたことになります。

このように「誤解されがちな日本人の英語」はたくさんあります。普段何気なく、日本人が使っている言葉をそのまま英語に翻訳したら、伝わり方が変わるようです。この本では”Of course”だけでなく、相手に喜んでもらえる英語の使い方を多く紹介しています。様々な気配りのできる英語の使い方を身に付けたい方には、ぜひこの本を読んでみてください。

【目次】
はじまりは誠意

CHAPTER 1 英語の気配り
このcallを訳せますか?
「英語の気配り」とは「丁寧なこと」
英語の敬語
①クッション言葉で柔らかくする
②リクエスト形式にする
③つなぎ言葉で流れをつくる
④単語を「格上げ」する
⑤「波」で変化をつける
ひとつ上の気配り
Agree to Disagree: 意見が違うことを認め合う
会話の間合い
黄金のパターン

Column1 丁寧に言い換えよう
WATER COOLER1 沈黙と間

CHAPTER2 誤解される日本人の英語
2-1 We Japanese…
2-2 Of course
2-3 As you know
2-4 ファーストネーム
2-5 Do you remember me?
2-6 「ちょっと難しいです」
2-7 あいづち
2-8 失礼な質問と対応

Column2 どうぞよろしくお願いいたします

WATER COOLER2 日付の書き方
WATER COOLER3 略語やカジュアル語に気を付けて
WATER COOLER4 エレベーターで
WATER COOLER5 Good afternoon?
WATER COOLER6 食事にお誘いするなら

CHAPTER3 言いにくいことの伝え方
3-1 断る
3-2 お願いする
3-3 謝る
3-4 注意する
3-5 反論する・批判する

Column3 Could you…?とWould you…?の違い
Column4 「すみません」を極める
WATER COOLER7 外資系企業
WATER COOLER8 アメリカ人の「反省」と「謝罪」
WATER COOLER9 話しているときに邪魔されてしまった!
WARER COOLER10 自己紹介

CHAPTER 4 いろいろな場面
4-1 電話する
4-2 感謝する
4-3 褒める
4-4 はじめまして
4-5 誘う
4-6 質問する
4-7 伝える
4-8 提案する
4-9 確認する
4-10 贈り物を渡す
4-11 さようなら

Column5 借りるときの表現

WATER COOLER11 🙂
WATER COOLER12 偉い人にメールを送るのはドキドキ
WATER COOLER13 プロフェッショナルとしてのイメージ

Politeness & Considerate Communication

【付属商品1:スマートフォン音声アプリ】
●基本情報:スマートフォンの無料音声アプリ
●収録言語・収録順:英語音声のみ収録
●収録内容:本書に出てくる英語フレーズを全て収録

著者プロフィールマヤ・バーダマン
仙台市生まれ。上智大学比較文化学部卒業。ハワイ大学へ留学し、帰国後は秘書業を経て、ゴールドマン・サックスに勤務現在は別の外資系企業勤務。著書に『英語のお手本 そのままマネしたい英語の「敬語」集』(朝日新聞出版)『品格のある英語は武器になる』(宝島社)などがある。
ジェームス・M・バーダマン
アメリカ、テネシー生まれ。ブリストン神学校卒業。ハワイ大学アジア研究専攻、修士。早稲田大学名誉教授。著書に『毎日の英文法』『毎日の英単語』『毎日の英速読』『毎日の日本』(以上、朝日新聞出版)、『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』(ジャパンブック)、『アメリカ南部』(講談社)など多数ある。
By |2019-01-17T21:20:20+00:00January 17th, 2019|Categories: seeds|0 Comments

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