//「自己紹介」は会話のスタートダッシュ – 英会話の苦手意識が消えない理由【9】

「自己紹介」は会話のスタートダッシュ – 英会話の苦手意識が消えない理由【9】

「英語なんて話せない!」「学生時代に英語を勉強したきりだから、すっかり忘れてしまった」などと、英語に対して苦手意識を感じている方。「英語が話せない」と考えてしまうのは、決して「英語の勉強が足りないから」ではありません。

この連載では、英語の苦手意識を払拭し、「話せる!」まで到達する実践的な手法を紹介します。

あなたは自信のない態度で損をしているかもしれない

相手の大切な時間を少しでも振り分けてもらうため、ファーストコンタクトとなる自己紹介は、「相撲の立合い」のように深く集中し、全力で取り組みたい事柄です。それこそ、一気に相手の心を掴み、アテンションを獲得したいものですが、残念ながら、日本人の多くは「積極的にいく」ことはおろか、出遅れているように見受けられます。

オドオドしたり、変に卑屈になったり、できるだけ手短にやりすごそうとします。けれどもそんな淡白な会話では、出会う人全員と親密な関係を築くことなどできません。

たとえば、あなたが誰かから話しかけられたときを思い出してみましょう。無意識的に「大切な人」と「そうでない人」をフィルターしていませんでしょうか。

つまり、オドオドして自信のない自己紹介は、「私はあなたの大切な時間をいただくには及ばない者です」と、自ら「大切でない人」にフィルタリングされにいっているようなものかもしれません。

どれだけ基礎英語力が高くても、自信のない態度では、会話がうまく運べるわけがありません。会話は思うように弾まず、また英語の苦手意識だけが残ってしまうかもしれないのです。

「自信」と「相手への興味」は態度で示そう

自己紹介のポイントはふたつあります。

(1)自信を見せること

(2)相手への興味を見せること

「自信を見せる」といっても、「俺はこんなにすごいんだ」と虚勢を張る必要はありません。多くを語る必要もありませんし、雄弁である必要もないのです。

自信は、次の3つのポイントで物理的に示すことができます。

1. 強いアイコンタクト

第3話でも紹介しましたが、強いアイコンタクトは自信の裏返しです。

2. よく通る声

第5話でもご紹介した通り、ゆっくり喋っても全然OK! 下腹に力を入れ、よく響くように大きく声を出します。

3. 強いグリップの握手

弱々しい握手ではなく、力強く、少し大げさに上下させるくらいの握手で、一気に相手の心をつかみましょう。

もうひとつ、とても大切なのが、「相手への興味を示すこと」です。

『人を動かす』などの歴史的ベストセラーの著者デール・カーネギー氏をはじめ、人間の行動原理やコミュニケーションを研究している賢人たちは、『人はだれしも自分のことをわかってほしい生き物である』という点に大きく着目してきました。

アメリカの心理学者であるアブラハム・マズロー氏の有名な「マズローの欲求5段階説」では、人のモチベーションを向上させるために考えるべき人間の5段階の欲求を定義しています。

人間にとって最も高次元の「自己実現欲求」(「創造的活動をしたい」といった自己の能力を引き出したいという欲求)を駆り立たせるためには、「尊厳欲求」という人の欲求を満たすことが必要であると説いています。
尊厳欲求とは、「他の人に尊敬されたい、認められたい」という欲求です。つまり、「人に認められたい」「人にわかってほしい」と常に周りからの認知を求めているのが人間なのです。

ですから「最強の自己紹介」を行うためには、相手への興味を明確に示すことが重要なのです。

「ああ、この人、自分には興味ないな」と少しでも伝わってしまえば、また、パタンと心のドアは閉まってしまいます。反対に、「この人、自分に興味を持ってくれている」と伝われば、「この人ともっと話したい」という欲求が芽生えます。自分の時間を相手へ振り分けようという気持ちが起こるわけです。 相手への興味を明示するには、以下のふたつが有効です。

1. 満面の笑顔

「ニコ」っと“テロップが出る”くらい、大きな笑顔で相手を照らしましょう。 単純なことですが、馬鹿にできません。

2. 適度なアイスブレーク

アイスブレークとは、まさに氷を砕くという意味。会ったばかりのときに流れる固苦しい空気をほぐし、場をあたため、本題に入る前に心のチャネルを通わせる素地をつくる行為です。これをおろそかに すると、相手は「なんだ、いきなり仕事の話か。自分に興味を持ってくれていないのか」となってしまいます。

上記のように、積極的に「自信」と「相手への興味」を見せることで、いちばん最初の自己紹介から、スタートダッシュを決めましょう。

自己紹介については、以下の動画もぜひ参考にしてみてください。実際の方法もわかりやすく解説しています。

『自己紹介から話しやすい環境をつくろう』

続いて、練習方法はこちらです。

『インパクトのある自己紹介の練習方法』

ハーバード大学にてMBA取得。日本の総合商社にて様々なグローバルビジネスに従事。その後イングリッシュブートキャンプを立ち上げる。また企業研修の講師としても活躍中。総合商社やメーカー等の大手企業や、成長企業向けにグローバル/リーダーシップ/交渉術等の研修を開発、自身も講師として登壇している。

By |2018-10-04T16:24:38+00:00October 4th, 2018|Categories: generalEBC|0 Comments

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