//英会話の苦手意識が消えない本当の理由【3】必要なのは「アイコンタクト」

英会話の苦手意識が消えない本当の理由【3】必要なのは「アイコンタクト」

「英語なんて話せない!」「学生時代に英語を勉強したきりだから、すっかり忘れてしまった」などと、英語に対して苦手意識を感じている方。「英語が話せない」と考えてしまうのは、決して「英語の勉強が足りないから」ではありません。

この連載では、英語の苦手意識を払拭し、「話せる!」まで到達する実践的な手法を紹介します。

コミュニケーションの「クセ」を意識して変える

前回は「持っている知識をやり繰りして英語を話すこと」をご提案しました。今回は、そもそも英語を話す以前に気を付けたい、私たち日本人が持っているコミュニケーションの「クセ」について考えていきます。

当然ながら、多くの人は自分の「クセ」をあまり客観的に把握しきれていないでしょう。けれどもどんなに高度な英語力を持っていても、グローバルな環境で会話を成り立たせるためには、「クセ」を認識し、変えていかなければなりません。なかなか会話が長続きせず、英語の苦手意識だけが残ってしまうのは、あまりにもったいないことです。

会話がつまらなければ、相手は他のことを考えてしまう

興味深い研究結果があります。
ハーバード大学の2人の心理学者の研究では、人間は生活時間のうちの46.7%、いまやっていることとは別のことを考えているというのです。
つまり、相手はあなたと話している間も、他のことを考えているかもしれないのです。皆さんも思い当たりませんか? 会話の最中でふと、他のことを考えてしまうことはよくあることです。

私たちが心に留めておくべきことは、「人は誰しも忙しい」ということ。
超多忙なビジネスパーソンでなくても、みな忙しいのです。小学生だってとても忙しい。学校や塾や習いごとや宿題。友達とも遊びたいしゲームもしたい。気になる異性もいるし、おやつも食べたければYouTubeも観たい。やりたいことだらけ。誰しも「自分のことで手一杯」です。

極論すると、コミュニケーションというのは、「忙しい相手の大切な時間を拝借する」行為とも言えます。
ですから、あなたの話が要領を得ず、退屈だったり、誠意がなかったりすれば、すぐに人は他のことを考えはじめます。うわべはあなたと話しているようでも、もしかしたら「今晩の献立」を考えはじめているかもしれません。

そうなったら、当然ですが、あなたの英語がいかに上級でも通じません。会話はダダ滑りとなり、あなたには「会話が弾まなかった」という後悔だけが残るでしょう。

英語という不慣れな言語で、しかも、普段接している日本人ではない、考え方もコミュニケーション手法も違うかもしれない海外の方の興味を惹きつけるーー。これはなかなか大変と感じる方も多いかもしれません。

ですが、安心してください。
相手の興味を惹きつづけていくために重要なものは、英語に限らないのです。

アイコンタクトで「誠実・正直・真剣」を伝える

今回伝えたいことは、「アイコンタクトの大切さ」です。

強いアイコンタクトは武器になります。

不思議なもので、人間というのは、目をじっと見て話されると無視できないものです。
目を射抜くように見つめられると、その人のコミュニケーションに釘づけになるのです。これほどパワフルなツールはなく、これを使わない手はありません。

海外の方と話していて、「こちらが恥ずかしくなるほど見つめられている」と感じることはありませんか。それは逆説的に、私たち日本人が普段、「あまりジロジロと目を見つめて会話しない」という「クセ」を持っている証かもしれません。

強いアイコンタクトは、ビジネス・コミュニケーションの観点からもとても重要です。
主に英語圏の文化では、目を合わせないまま話すという行為は、「相手を信用していない」「なにかやましいことがある」「会話に乗り気でない」といったサインとしてとられるか、「自分に自信がない」と見られることがあります。

グローバルビジネスの場では、相手の目を見つめることは、相手と仕事をするうえで最重要な「sincerity(誠実さ)」「integrity (品位・正直さ)」「seriousness(真剣さ)」 の表れになります。

100の言葉を連ねるより、相手の目を射抜くように見つめることで「重要な話をしています。聞いてください。一緒にやりましょう」といった念を直接に送れるのです。
恋愛で意中の人を本気で口説くとき、目をそらすなんてあり得ません。それと同様に、目をそらして商談をするビジネスパーソンもあり得ない、というわけです。

まずは、照れることなく、じっと相手を見る。その練習をはじめてはいかがでしょうか。

練習にはこちらの動画も参考にしてみてください。

それでは皆さん、また次回!

ハーバード大学にてMBA取得。日本の総合商社にて様々なグローバルビジネスに従事。その後イングリッシュブートキャンプを立ち上げる。また企業研修の講師としても活躍中。総合商社やメーカー等の大手企業や、成長企業向けにグローバル/リーダーシップ/交渉術等の研修を開発、自身も講師として登壇している。

By |2018-08-21T19:56:52+00:00August 16th, 2018|Categories: generalEBC|0 Comments

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